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川崎のラブホをリニューアルしていたら、ヤクザに呼びだされた話 2005年

ブログ小説

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もう10年以上も前、2005年の話です。

川崎のラブホをリニューアル工事していたら、ヤクザに呼び出されました。

その当時を振り替えったドキュメントをお送りします。

あれから、川崎には近づく機会はありません。
ベトナム住まいの僕にとっては、よほどの用事が無い限りはもう行くことのない場所です。(堀の内はまた行きたいですが)
いまだに暴力団の組は存在しているのでしょうか。 

 

そのとき、おれ達は川崎警察署の刑事課の取調室にいた。

その刑事さんはおれ達に向かって言った。

「あなた達が会った奴はこの中にいる?」

その刑事は極楽トンボの加藤のような容姿。
しかも、その動作は緩みなく力と自信が溢れ、おれ達を安心させていた。
クリアファイルを開いてでてきたのは、ある暴力団の顔写真付の組織図だった。
こんなものがあるのかと驚きつつ、ある男の顔を捜した。

「こいつです!!」

おれと同僚はほぼ同時に同じ人物を指差した。

おれ達はつい二時間前は、暴力団の事務所にいた。

その日は、太陽の日差しのおかげで12月のだというのに、寒さを忘れたような日だった。

ここ一週間おれ達は、ラブホテルの改装工事に追われていた。
そのホテルは、もう15年以上も前に今おれの勤める会社が建てたラブホテルだった。
15年も経てば、風呂やタイルは汚れ、クロスははがれてくる。はっきり言って汚い。

自分ならこんなところでヤリたくない。
まぁ、客斡旋のルートがあるようで客足が途絶えることがないホテルのようだ。
工事前に何度か来たが、昼の12時以降は満室に近い様子だった。
部屋の老朽化で売り上げが落ちているわけではない。
だが、改装することで得るメリットはある。
一つは、新しい客を掴むこと。
もう一つは、料金を上げることできる。
工事期間は約3週間。
最初の1週間は壊すことから始まる。いわゆる解体工事。次の週は設備工事の期間。エアコンや風呂・便器を取り替える。
最後週は床のタイルや壁のクロスを仕上げる期間になる。
そしてホテルで一番大事なのは外見。外から見て綺麗だけど、中に入ると普通でがっくり・・・なんてよくあることだ。
だから、外装の塗装工事も3週間の中にもちろん含まれていた。
実際の工事はもっと複雑に絡み合うわけだが、これ以上説明する必要はないとおもうので省く。

そのホテルは川崎にあった。川崎という街をそれまで自分はあまりよく知らなかった。
けれど、毎日通ってみるととってもコワイ街であることを知った。
そのホテルの周りは、夜になるとアッパーライトで浮かびあがる建物が立ち並ぶラブホ街。
暗くなると東京ではあまり見なくなった売りをする女の人が声をかけてくる。

そして、そこから道を3つ南にいくと有名な堀の内がある。いわゆるソープ街。
何十件もソープランドが並んでいる。そう、風俗街の存在はそのまま暴力団の存在も意味する。
おれ達が工事しているホテルとソープ街の中間地点に暴力団の事務所はあった。
そのときが来るまでそこに行くことになるとは思わなかった。

工事をしていると、一日に3回ほどホテルの前をパトロールが通る。
常に二人組みでパトロールしている。
その人達は制服を着ている。だけど、拳銃ももっていないし帽子もかぶっていない。
その制服は自衛隊のような迷彩服。
かれらは、警察官でも自衛官でもないヤクザ兵隊だった。
彼らは体格がいいわけでもなく、コワイ風貌をしているわけでもない。
むしろガリガリで栄養不足が伺える。
暴力団の下っ端の兵隊はおれらの想像以上に貧乏なのかもしれない。

工事始まってから数日の間は、彼らはただ通り過ぎていくだけの存在だった。

しかし、いつからか、彼らの通る回数が増えていくようになるのだった。

 

続きは、noteで!

 

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